夏のテント泊登山では、シュラフカバーは必要ないと思っていませんか?私は昨年夏に、槍ヶ岳3泊4日テント泊登山をしたのですが、夏はシュラフカバーは必要ないだろうと思い、持って行きませんでした。ところが、槍ヶ岳山荘のテント場で暴風雨に見舞われてしまいました。突風にテントが煽られて結露がミストのようにテント内に降り注ぎ、テント内はびしょ濡れ。シュラフもびしょ濡れとなり、シュラフカバー持っていかなかったことを後悔しました。
しかし、シュラフカバーは買うと高いし、重量も結構あります。そこで、今、UL登山(ウルトラライトハイク)で注目されている「タイベックシート 」を使ってシュラフカバーを自作してみました!今回は作り方をご紹介させていただきたいと思います!
タイベックシート とは?
タイベック® とは、米国 デュポン社が開発した、0.5~10ミクロンのポリエチレンの極細長繊維をランダムに積層し、高熱と圧力だけで結合させたシート(不織布)で、主に建材用途に使用した透湿・防水シートです。
優れた透湿・防水性能を有し、抜群の強度と耐久性能を保持する事が可能とのこと。しかも、軽量であるため、近年ではアウトドア業界で注目されています。ちなみに、防水性はありません。
モンベルでは「タイベック スリーピングバッグカバー」が6,380円(税込)、muraco(ムラコ) からも「タイベック スリーピングバッグプロテクター 」が9,240円販売されております。スリーピングバッグにかぶせて使用することで、テント内に発生した結露などからスリーピングバッグ本体を保護できる、保温力を高めることができる、タイベック®︎の優れた透湿性によりスリーピングバッグ内をドライで快適な状態に保てる、ということで人気なようです。
タイベックシート シュラフカバーの作り方
今回は、メルカリで「6m 1,370円」で購入した「タイベックシート ソフト」を使って自作したシュラフカバーの作り方についてご紹介したいと思います。
材料
- タイベックシート (寝袋に合わせて。私の場合は4m50cm程度で余裕ありました)
- ひも(軽量化のため、細引きを使用)
- コードストッパー 1個 (100均で購入)
①簡単な製図づくり
まずは、使用している寝袋を採寸してから、裏紙にざっくりとした簡単な製図を描いてみました。
フード部分は25cmにすることにします。フードの背中側(頭の後ろ側)部分は本体とつなげ、フードの顔側部分は、25cm+3cm(ひも通し口分)を折り返すことにします。
全体的にゆとりをもたせています。
特に足が窮屈にならないよう、足元の「マチ」をたっぷりめにとりました。
②裁断する
部屋中にタイベックシート を2枚重ねて広げます。「タイベックシート 」と書かれている面の方がツルツルとしていて、なんとなく水を弾きそうなので、こちらを表面にして作ることにします。
2枚重ねたタイベックシートをまち針でとめてから、製図をもとに縫い代を含めた線をボールペンで書き、ハサミで切ります。
③ひも通し口を縫う
まずは、本体部分のひも通し口をミシンで縫います。裏側になる面に3cm折りこみ、端をミシンで縫います。タイベックシート の布端はほつれませんので、このまま縫ってOKです。
今度は、同じようにしてフード部分のひも通し口を縫います。
④両脇を縫う
次に、本体部分の両端を縫います。両端は「袋縫」という方法で縫います。こうすることで、丈夫になることと、ミシンの縫い目から水が浸透するのを防ぐことができるのではないかと思ったからです。
生地を表が外側に来るようにして(外表)、縫い代5mm程度で縫います。心配な方は、縫い代を1cmくらいで縫い、後から縫い代が5mmになるようにカットしてもOKです。
このとき、先ほど作った「ひも通し口」を縫わないように気をつけましょう!
その後、布を表が内側に来るようにして(中表)、縫い代1cmで縫います。
⑤マチを縫う
両端を縫ったら、マチの部分を縫います。生地の表を内側にしてから、脇の縫い目の線と底の線を重ねるように立体的に角をつまみ、三角形になるようにします。そして、定規やものさしを利用して脇の縫い目を中心にして13cmずつになる所を見つけて、線を引いてミシンで縫います。
ミシン縫いをしたら、縫い代を1cm程度残して、余計な三角の部分を切ります。少しでも軽量化するために!
反対側も同じようにマチを縫います。
⑥フード部分を縫う
フードの曲線部分のでき上がり線を引きます。適当に引きました。
真ん中から半分に折って、2枚重ねてまち針でとめてから、できあがり線の1.5cm外側を切ります。
こちらも「袋縫」で仕上げるため、生地を表が外側に来るようにして(外表)、縫い代5mm程度で縫います。
その後、生地の表が内側に来るようにして(中表)、縫い代1cmで縫います。
⑧ひもを通す
縫製が終わりました!最後に「ひも通し口」に本体からフード、と続けて細引きを通していきます。最後に細引きの端にオードストッパーを通してから結びます。
⑨できあがり!重量は?
完成しました!軽量化のため、ファスナーはつけずにそのままもぐり込むタイプにしました。
シュラフ(モンベルのダウンハガー♯3 women’s)を入れてみました。実際に入ってみましたがファスナーなしでも入りにくいということはありませんでした。また、シュラフの中で動いてみましたが、窮屈さを感じることなく、動くことができました。
表面に「タイベック 」と書いてあるのは格好悪いですが、実用性を重視しました。ちなみに、公式HPには「表裏はありますがマルチとしての機能に差はありませんので、被覆しやすい方向でご使用下さい。」と書いてあるので、文字が見えてちょっと…という方は、文字の書いていない白い面を表にした方が良いかと思います。
重量は「209g」でした。ゴアテックスなどのシュラフカバーは400〜500g位なので、200g位軽量化できているかな、と思います。
余ったタイベックシート で…
タイベックシートが余ったので、「巾着袋」(山ごはん系グッズを入れています)と「ファスナー付きのポーチ」(モバイルバッテリーを入れています)を作りました。こちらも日帰り登山等で毎回使っていて、重宝しています!
今回のコスパポイント
今回は、メルカリで購入した「タイベックシート ソフト」お値段1,370円を使ってシュラフカバーを作ってみました。モンベルで購入するより5,000円程度お安く、また、巾着とポーチも作ることができました。
ただし、ミシンが必要なことと、手間と時間がかかるので、モンベルなどで購入するのもアリなのかなとも思います。
この夏のテント泊で実際に使用したら、また使用感をレビューさせていただきたいと思います!