アラフィフ女子が、槍ヶ岳ソロテント泊登山に挑戦してみた!その①(1日目〜2日目)

アラフィフ女子が、槍ヶ岳ソロテント泊登山に挑戦してみた!その①(1日目〜2日目)

2022年8月上旬、登山を始めてからずっと目標にしていた、槍ヶ岳にソロテント泊で行ってきました!
初めての槍ヶ岳だったので、初心者コースとも言える上高地から槍ヶ岳の往復、3泊4日で行ってきました。事前の下調べや準備をしっかりと行い、自分としては万全を期して出発したのですが…思ってもいなかったようなことが起こってしまいました。この経験を通して学んだことや、「こうすれば良かった〜(*´Д`*)」と思ったこと、山小屋の飲み物などの価格情報、そしてこの山行にかかった費用などお金に関する情報もお伝えしたいと思います。槍ヶ岳テント泊初心者の方の参考になれば幸いです(^^)。今回は1日目〜2日目の記録です。

※3日目〜4日目の様子はこちらのページで紹介しています!

今回のコース

はじめに、今回のコースは以下の通りです。1日目は、早朝に上高地を出発してババ平のキャンプ場でテント泊、2日目はババ平から槍ヶ岳山荘まで行きテント泊、3日目は槍ヶ岳山荘から横尾まで行きテント泊、4日目は横尾から上高地に戻り、上高地から東京に戻る、という行程です。

前日〜1日目 上高地〜馬場平

8月7日 22:30竹橋発の「毎日あるぺん号」に乗り、朝5時過ぎに上高地に到着。


上高地バスターミナルそばの「上高地の美味しい水」を汲み(水道から出ます、無料です!)、ストレッチをして朝食のおにぎりを食べてスタート!3泊4日テント泊のザックの重さ、水込みで14kg程度を背負って、ババ平テント場まで歩きます。早朝の河童橋は、まだ人も少ないです。

梓川沿いを、気持ちよく歩きます!

横尾を過ぎてから、傾斜+それまでの疲れ+ザックの重さで、キツくなってきました。

「槍沢ロッヂ」に到着!

横尾から1時間40分程度歩いて、槍沢ロッヂに到着!ここで、ババ平テント泊の受付をします。テント泊料金2,000円を支払います。ちなみに、槍沢ロッヂのお昼ごはんやお酒、おみやげなどは以下の通り(2022年時点での情報です)。ロッヂ前には座ることができるところも多く、たくさんの人で賑わっていました。私は受付後、特に買い物はせずにババ平へ向かいます!

槍沢ロッジからババ平まで40分弱。くたくたになりながら、最後の力を振り絞る感じてゆっくりゆっくり歩きます。「槍見」を通過。まだ歩きます。

「ババ平 テント場」に到着!

そして、上高地出発から約6時間、12時40分頃に「ババ平」に到着!地面は平らで、テントが張りやすいです。
8月上旬の平日のこの時間は、テントを張れる場所は結構残っていました。

今回は「ドイター エアコンタクトライト40L +10L」のザック(旧モデルでお安くなっていたので購入)。この中にヘルメットも無理やり入れていて、いっぱいいっぱい(^_^;)。ちょっと不恰好。

「ドイター」のザックは2023年モデルが出ています。同じ容量ならば、他のメーカーよりもお安いことが多い気がしています(セールになりやすい?)。もちろん、お店で他のメーカーのザックも含めて何度も背負って、自分の体に合うものを選びました。

テント場にはお父さんと一緒に来ていた小学生もいて、既に槍ヶ岳に登頂してきたとのこと!私も頑張ろう!と意欲満々でした。この日は早めに夕食を食べて寝ました。

2日目 ババ平〜槍ヶ岳山荘

ババ平のテント場からの朝の景色です。この時間は日差しがありました。

テントを撤収し、荷物をまとめて5時50分頃にババ平を出発!所々に咲いている花を見ながら歩きます!

天狗原分岐まではそんなに疲れを感じずに歩けましたが、そのあとがキツイ。途中でザックをおろしながら何度か休憩しながら歩きました。

途中、「水沢」と岩に書かれている水場(2545m地点)で、水を補給しました。「ここの水は美味しい」と日本百名山のテレビでガイドさんが話していた所です。ここで水を「カタダイン BeFree」という浄水器に一度汲んでからプラティパスに移しました。ここが槍ヶ岳までの最後の水場。水代節約です。

浄水器については、「ソーヤーミニ」が有名で、購入を検討していましたが、浄水するために絞り出す?のに結構力がいりそうなことと、浄水するのに時間がかかるよう。「カタダイン BeFree」はソフトボトルを軽く握るだけで浄水でき、スピードも速い、ということでこちらを選びました!

疲れている時に、力を入れてギュウギュウ押し出すのは厳しい〜。
その点、「Be Free」は楽〜に浄水できて、ありがたい!

重いザックを背負って歩くのは大変ですが、振り返ると景色がきれいです!

花畑に癒されます。

「坊主岩屋下」まで来ると、ガスってきました。
岩場になってきましたが、岩に〇マークや、進む方向に矢印→がしっかりと書かれていて、非常にわかりやすいです。
槍ヶ岳山荘に近づいてくると、岩に「2000」などと槍ヶ岳山荘までの歩数が書かれています。そのあたりから槍ヶ岳山荘までがとてもとてもキツくて、2〜3歩足を出したら休む…という感じになってしまいました。

10時35分、槍ヶ岳山荘に到着!すっかりガスカスです。そして、強風が吹き始めました。

テント設営

槍ヶ岳山荘でテント泊の受付をします。見せていただいたテント場の地図はこんな感じ。小屋の方にテントの種類を伝えます。強風とのことで、なるべく風を避けられるよう岩で囲まれている場所を選んでもらいました。小屋の方がテントのサイズを熟知しているようで、テントの大きさに合わせた場所を選んでくれます。午前中の到着だったので、まだテントを張れる場所は結構残っていました。テント泊料金は2,000円です。

テント場に着きました。辺りは真っ白。風も強くなってきました。

「18番」のところに自分のテントを張りました。ゴツゴツの岩に囲まれていますが、地面はまあまあ平らでした。強風の影響を受けにくいと小屋の方からのアドバイスがあったため、入口を岩側にして設営しました。ソロテントがギリギリ張れるくらいのスペースです。

ちなみに、私のテントは「NEMO TANI1P(ニーモ タニ1P)」です!モンベルのステラリッジテントやアライテント、ファイントラックなど、調べまくりましたが、ダブルウォールなのにテント本体の重量が約1.06kg(ポールやフットプリントなど、全部合わせても実測1.6kg)であること、コンパクトに収納できること、耐久性があること、優れたベンチレーション機能があり結露しにくいことなどから、こちらを選びました。モンベルよりも値段はお高めでしたが、テントなどの高額商品はなかなか買い換えることがありません。自分が一番良いな、と思ったものを購入した方が後々のことを考えるとコスパが良いのでは、と思い切って購入しました。

2023年7月には、「NEMO TANI OSMO(タニ オズモ) 」という、TANIの進化版モデルが登場しました。従来モデルよりもセットアップしやすく、耐久性も向上したそうです!

槍ヶ岳山荘前で、お昼ごはん

槍ヶ岳山荘前のテーブルと椅子がある所で、お昼ごはんにします。今回持ってきたバーナーは「ジェットボイルスタッシュ」。そしてクッカーは、「ジップロックスクリューロック」。スクリューロックのまわりには、100円ショップグッズで作った銀色のフードコジーをセットしています。この中に、「ノンカップ麺」のラーメンと乾燥野菜を入れ、ジェットボイルスタッシュで沸かしたお湯を注いで、ラーメンを作りました。絶景を見ながらのお昼ごはんと思っていましたが、真っ白で何も見えませんでした。

ジェットボイルスタッシュは、コンパクトに収納できる、200gと軽量、そして熱効率が高く、一般的なバーナーに比べ素早くお湯を沸かすことができるためガスの消費量は約半分。そのため、ガス代が節約できる&長期縦走の場合も携行するガスカートリッジも少なくて済むため軽量化ができる、ということでこれはコスパが良いのでは!と、購入しました。本当に、あっという間にお湯が沸きます!

お昼ごはんの後は、槍ヶ岳の穂先に登頂する計画でしたが、ものすごい強風になってきてしましました。下は、槍ヶ岳山頂の真下からの写真ですが、真っ白で、槍の穂どころか5m先が見えない状況。ものすごい強風になってきてしまったため、この日の登頂はあきらめました。

槍ヶ岳山荘 お買い物情報

槍ヶ岳山荘の飲み物の自動販売機。種類とお値段です(2022年時点です)。槍の穂先に登頂後にビールを飲もう!と思っていましたが、登頂できなかったことと、寒かったこともあり、ビールを飲む気持ちにならず…。

槍ヶ岳グッズが盛りだくさん!

テント内で過ごす

槍ヶ岳山荘前。ガスガスで景色は見えませんが、花がきれいです。

強風のため、テント内でおとなしく過ごします。

テント内では、スマホの電波が通じる時もあるし、通じない時もある、という感じ。友達や家族にラインで連絡をとることはできました。
ネットサーフィンをしたいところですが、4日間の山行なので、バッテリーもギガも節約したい。ということで、テント内では「「amazon Audible(オーディブル)」で「聴く読書」をして過ごしました。

「アマゾン オーディブル」とは?

「amazon Audible(オーディブル)」は、プロのナレーターが朗読した本をアプリで聴けるサービスです。会員は、12万以上の対象作品が聴き放題です。

そして、登山者にとってありがたいのが「オフラインでの再生が可能」だということ。事前に自宅で作品をダウンロードしておくことにより、電波が届きにくい山中でも、オフラインで聴く読書ができるのです!

また、バックグラウンド再生をすることができ、Audibleのアプリの画面をスリープ状態(off)にしても音声が流れ続けますので、バッテリーを節約することができます(もちろん、他のアプリを開いたときにも音声が流れ続けます)。そのため、ギガやバッテリー残量を気にすることなく、聴く読書に専念することができました。


Audibleには、人気小説、ビジネス書、ポットキャストなどたくさんの種類があるので、きっとお気に入りのタイトルが見つかることと思います!

私はお金や投資に関する本を聴いてお金についての勉強をしたり、オススメに出てきた小説や山に関する小説を聴いて楽しむことが多いです。暴風雨のテント内でしたが、Audibleのおかげで聴く読書がはかどりましたし、気持ちの面でも救われたように思っています。

また、私の場合、登山に行く際にバスを使って長時間移動することが多いです。バス内で、ネットを見たり本を読んだりすると酔ってしまうことがあるのですが、Audibleならば画面を見ないで読書を楽しむことができるので、時間を有効に使うことができます。

槍ヶ岳テント場で過ごす暴風雨の夜

夕方になり、雨も降ってきて更に風も強まりました。トイレに行くにもまわりが真っ白で、どちらに行って良いのかわからなくなるくらいでした。

夜になりました。テント内の気温は13℃くらいで寒く、ダウンを着こみました。(ちなみに深夜のテント内の気温は10℃くらいでした)。

夜間はずっと暴風雨。数分おきに起こる突風にテントが煽られて、結露なのか、ベンチレーションから入り込んだ雨なのかが、ミストのようにテント内に降り注ぎ、テント内はびしょ濡れ(今思えば、ベンチレーションの開け方の工夫が必要だった(*_*))。この日の夜は、ウトウトしかけると顔にピシャッと水しぶきがかかってしまうような状況で、ほぼ一睡もできませんでした。

今まで「TANI」のテントを使ってきて結露に悩まされることはなかったのですが…。
しかし、暴風雨の中、しっかりと耐え、守ってくれた「TANI」に感謝です!

今回持っていったシュラフはモンベルのダウンハガー Women’s #3の旧モデルでしたが、シュラフもびしょ濡れ。慌ててレインをかぶせましたが、一部分しかカバーできず、すぐにずれてしまうので効果なし。シュラフカバーを持ってこなかったことを後悔しました。

モンベルの現行モデルのひとつである「ドライ シームレス ダウンハガー」には、防水透湿性素材を使用しているとのこと。これならシュラフカバー なしでも行けそうですね!

アラフィフ女子が、槍ヶ岳ソロテント泊登山に挑戦してみた!その②(3日目〜4日目)に続きます!